映画を愛して、映画大好きだからこそ!
勝手気ままな感想を書かせてもらってます♡♡
映画好きな方も、あまり観ない方も
ご参考までに(*´∀`*)
「デビルズ・バス」
(墺・独合作)PG-12
2025年5月23日公開(121分)
ベルリン映画祭銀熊賞の
黒歴史スリラー。
18世紀半ば、
オーストリア北部。
古くからの伝統が残る小さな村に
嫁いできたアグネス
(アーニャ・プラショク)は、
夫の育った閉鎖的な世界や
村の住人たちになじむことができず、
憂うつな日々を過ごしていた。
アグネスは彼らの無神経な
言動やおぞましい儀式、
何かの警告のように放置された
腐乱死体など異様な光景を
日常的に目撃し、
精神的に追い詰められていく。
極限状態のなかで現実と幻想の
区別がつかなくなった彼女を、
村人たちは
狂人あつかいするようになる。
やがてアグネスは、この世界から
自由になることを求めて
驚くべき行動に出る。。。。。
冒頭の赤ん坊を滝の上から落とす
女のショッキングな映像の後、
何気ない18世紀の村の生活を見せるが、
そこに残酷が潜んでいる。
村の掟や嫁入り先の習慣に
なじめないアグネスは壊れて行き、
自殺ではなく、子供殺しを選ぶ。
自殺すると埋葬されないが、
殺人後に教会で酷解すれば、
魂が救われた後に斬首となる。
信心深い女には、
後者を選ぶしかなかった。
それにしても、
グロテスクなものが沢山出てくる。
虫の死骸や、血抜きされた
ヤギ、鼠の毒(?)、
首のない女などなど。
ホラーかと見間違うが、
悪魔に憑りつかれたわけでもなく、
うつ病で心神喪失する話である。
宗教とタブーに支配された
当時の黒歴史だが、
このような裁判例がドイツだけでも
400件あったというから、
本当はもっとあるのだろう。
筆者は、公衆浴場に行かされた
アグネスの体内の悪魔を出すために、
首筋に針で髪の毛を通す
信じられないような治療法には
唖然とした。
しかし、
当時はそれが最善の方法だったのだろう。
また、
斬首されたアグネスの首から
吹き出す血を集めて、
観衆に売りさばいたのも
事実だろうから、
なんともおぞましい。
監督はヴェロニカ・フランツ
&ゼヴリン・フィアラのコンビ。
ゴシック・ホラーのようにも見えるが、
幽霊も悪魔も出て来ない作品は、
18世紀に生まれなくて
良かったと安心している方、
最近うつ病かなと
感じている方には、見て頂きたい。
原題は「The Devil’s Bath」と
悪魔の浴槽。
何か裏の意味があるのか知りたい。
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