映画を愛して、映画大好きだからこそ!
勝手気ままな感想を書かせてもらってます♡♡
映画好きな方も、あまり観ない方も
ご参考までに(*´∀`*)

「落下の王国」
4Kデジタルリマスター版
(2008年製作)印英米合作
2025年11月21日公開(120分)
幻の傑作が追加映像を加え
圧巻のリバイバル上映。
舞台は1915年。
ロスアンゼルス。
映画の撮影中に
橋から落ちて
大怪我を負った
スタントマンのロイ
(リー・ペイス)は、

病室のベッドで
絶望の淵にあり、
自暴自棄になっていた。
そんな彼は、
木から落ちて腕を骨折し
入院していた
5歳の無垢な少女
アレクサンドリア
(カティンカ・アンタルー)と出会う。
ロイは動けない
自分の代わりに、
アレクサンドリアに
薬剤室から自殺用の薬を
持ってこさせようと考え、

彼女の気を引くために
即興の冒険物語を
語り始める。
それは、
愛する者や誇りを失い、
深い闇に沈んだ
6人の勇者たちが
力を合わせて
悪に立ち向かう
壮大な物語だった。。。。。

「ザ・セル」で、鮮烈な
ビジュアル・デビューを果たした
インド出身のターセム監督。
セットでなく、
本物を背景に使っており、
そのスケールに圧倒される。
13の世界遺産と
24か国以上でのロケ。

イスタンブールの
ブルーモスク内部と
思われる場所での
回転しながら踊る人々や、
インドの
シャンタル・マンタル天文台の
日時計の中での撮影、

デリーの
フマユーン廟らしき
シーンやジャイプールの
アンベール城、
そして
アグラ城やタージマハル、
水上宮殿や砂漠まで
本物を利用している。
アメリカーナという
蝶の形が島に変わったりする
トリックも面白い。

これにうまく
化学反応しているのが、
「ドラキュラ」で
アカデミー賞衣装
デザイン賞を受賞した
石岡瑛子の奇抜で
キレのある衣装。
このファッションを
見るだけでも価値がある
映画と言える。

物語は自殺したい男が、
モルヒネを盗むために
5歳の女の子を利用する。
彼女と同じ名前の
アレキサンダー大王から
始まるとんでもない
寓話を聞かせるが、
うまくいかないどころか、
彼女はまた椅子から
落ちてしまう。

前歯の抜けた無垢な5歳が
初演とは思えないうまさで、
それゆえに
大人の残酷さが感じ取れるが、
とにかく映像から来る
インパクトは他に
類を見ないレベル。

後年になって評価が上がる
作品の良い例なので、
この機会に映画館で
見るべきだろう。
17年前も
シッチェス・カタロニア
国際映画祭でグランプリ他を
受賞しているが、

いわゆる
メジャーな映画祭では
高評価を得ていない。
恐らく、
監督が私財を投じた
自主製作作品で宣伝も
不十分だったからだろう。
本作には、
鬼才デヴィッド・フィンチャーと
スパイク・ジョーンズという
2大監督が大きな支援をしている。

アート作品とも言えるが、
展開も面白く、
見れば圧倒される作品。
インド、トルコ、南アフリカ、
バリ等の世界遺産を
見たことのある方、
カルト的ファンタジーの
映像作品が見たい方、
石岡瑛子デザインの
衣装が見たい方には、
超お薦めの作品。

原題は
「The Fall」。
落ちて怪我をした二人が
病院でつながるが、
再び落ちてしまう皮肉が、
彼を立ち直らせる
きっかけになる。
とにかくカラフルで贅沢。


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