映画を愛して、映画大好きだからこそ!
勝手気ままな感想を書かせてもらってます♡♡
映画好きな方も、あまり観ない方も
ご参考までに(*´∀`*)
「天上の花」
(PG-12)
2022年12月9日公開(125分)
愛情を暴力でしか
表現できない詩人
・三好達治の半生を描く
文芸作。
昭和初期。
詩壇の中心に立つ
萩原朔太郎(吹越満)に
師事する詩人
・三好達治(東出昌大)は、
師匠の末妹
・慶子(入山法子)との
結婚を望むが、
貧乏書生と
ののしられ
拒絶される。
十数年後、
太平洋戦争の
さなかに
彼女が夫と
死別すると、
達治は妻子と別れて
慶子と結婚し、
身を隠すように
越前・三国に
居を構える。
雪深い土地で
暮らす中、
達治は慶子の
奔放な態度に
愛と憎しみを感じ、
自らの感情を
抑えられなくなっていく。。。。。
16年4か月ごしの
恋を実らせ
慶子と結婚した三好だが、
見ている方も
辛くなるような
DVの世界に入っていく。
「花筐」などの詩人は、
天井の花(こぶし)を
見ても繊細に
表現できる一方で、
妻への愛を
制御できないでいた。
なんという
アンバランス。
もちろん、
家事もやらず、
お人形のように
美しいだけで
自由奔放な慶子にも
問題はあったが、
後半はやりきれない
気持ちになる。
こんな役は誰も
引き受け手が
ないと思うが、
チャレンジした
東出君に
拍手を送りたい。
慶子役の
入山法子をはじめ、
吹越満、漫画家の
浦沢直樹らも
昭和テーストに
ぴったりの配役。
筆者が大昔好きだった
有森也実が思わぬ役
で出たのにも驚いた。
原作は
萩原朔太郎の娘
・萩原葉子。
朔太郎没後80年
ということで、
映画化の
はこびとなった。
脚本がまた
素晴らしい。
冒頭、達治が
見合いで
結婚したかと
思ったら、
次のシーンで相手が
慶子に変わっており、
見ている連中は
面食らう設定。
ここで一体
どうなったんだと、
頭の中に「?」が
ぐるぐると回りだした。
しかし、
順を追って
謎が解けていく。
夫婦ながら、
二人の会話は
敬語を使い、
三好の詩が
画面いっぱいに
語られる。
波乱万丈を超えて、
無茶苦茶な
詩人の人生は、
超お薦めしたい
驚愕の作品。
瀬戸内寂聴を
モデルにした
「あちらにいる鬼」と
セットで見るのも面白い。
コメント