映画を愛して、映画大好きだからこそ!
勝手気ままな感想を書かせてもらってます♡♡
映画好きな方も、あまり観ない方も
ご参考までに(*´∀`*)
「陽が落ちる」
2025年4月4日公開(133分)
切腹に至る2日間を
丁寧に描く本格時代劇。
文政12年(1829年)
江戸幕府の直参(じきさん)
旗本で書院番を務める
古田久蔵正成(出合正幸)を
夫に持つ良乃(竹島由夏)だったが、
夫の久蔵は江戸城在番の折に
将軍の弓に不都合が
生じた罪により、
蟄居の身となってしまう。
良乃は久蔵とひとり息子の
駒之助とともに過ごす中で、
夫や身内のためにも
たくましく気丈に振る舞う。
そしてある日、
ついに久蔵の沙汰が決まり。。。。。
将軍の側近である
旗本職の者が、
切腹を言い渡され、
妻や家族、下男・下女、
友人らを巻き込む静かな
ドラマ。
切腹の沙汰を、
蟄居中の本人に
伝えられない友人は、
門の外から歌で伝え、
妻は理不尽と思いながらも
武家のしきたりに従う。
日本的な所作や日本語の
美しさを感じるが、
子供まで失った気丈な妻は
最後に錯乱する。
この世に未恋のある正成に対し、
妻の言葉は凛としており、
見ている方まで背筋が伸びる。
竹島由夏さんの演技
初めて見たかもしれないが、
素晴らしかった。
とんでもない御目付役に、
なんと村上弘明。
監督・脚本は柿崎ゆうじ。
切腹当日の食事に
たくわん3枚=身を斬る=三切れ、
が出されたり。
「せんす腹」という扇子を使った
腹切りには驚いた。
ロンドン、エディンバラ、
ヘルシンキ等の映画祭にも
招待された時代劇は、
やたら鬼の首を落としまくる
騒々しいアニメばかり
見ている人には、
是非お勧めしたい。
役所広司主演の「蜩の記」
(2014年)では、
蟄居から切腹まで10年の
猶予があったが、
本作では一晩程度。
絶対権力に最低限でも
抵抗した妻と家を守ろうとした
彼女の生きざまを見て欲しい。
こういう作品こそ
単館上映でなく、
全国公開して欲しい。
コメント